【小説に見る中央区 第1弾】高見順『日本の靴』...
- 2022/9/13
- 街の人のブログ
こんにちは。Hanes(ハネス)です。
昨今、中央区は様々な小説の舞台となり、本ブログでは考察記事を書かれている方もいらっしゃいます。
時代や視点が異なれば、中央区内の描写にも変化が生じます。
また、中央区にゆかりのある人物を主人公やモデルにした小説もあり、彼らと中央区の関係をより深く知るための手助けとなっています。
そこで新たに始める「小説に見る中央区」シリーズでは、中央区を舞台とした小説または中央区にゆかりのある人物が登場する小説を読み、その内容と現在の中央区の様子を合わせてご紹介してまいります。
異なる時代の「中央区」を訪れた気分でお楽しみいただけましたら幸いです。
さて、記念すべき初回に取り上げるのは、永井荷風の叔父の子・高見順の短篇小説『日本の靴』。
現・中央区入船に「靴業発祥の地」があることは本ブログでも多くの特派員がご紹介してきましたが、日本初の西洋靴の工場「伊勢勝造靴場」を開設した西村勝三が、その小説で取り上げられていることはご存じですか?
小説は、「日本で一番最初に製靴業に着手した人は誰か」で始まり、高見が友人と隅田川沿いの銅像堀公園を訪れ、西村勝三の銅像を目にしたことを皮切りに話が展開します。
その銅像は古風なシルクハット、クロックコート、右手にステッキ、左手に外套、鼻下に髭と明治時代の著名な「民間人」としては風格があったそう。(現在、墨田区立銅像堀公園には西村勝三の銅像はありません。)
後に高見が蘭印(オランダ領東インド)を訪れ支那人の靴屋を利用した際、日本にはいつ頃洋靴が入ってきたのか気になります。
帰国後そういった興味は一旦頭から離れるものの、後日再び銅像を見に行き調べものをするうえで靴に対する興味がいっそう燃え上がります。

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