夏の夜の闇の向こう側...
- 2023/8/22
- 街の人のブログ
ポケモンのモンスターボールに似ているね。
でも、ちょっと違うんだな。
異常な暑さの夏。
寝苦しい夜は、たまらない。
夜更けにふと目が覚めて、眠れぬままに手を伸ばしたのは怪談本だった。
異界のおどろおどろしい気配が、寝床の周りに立ちのぼってきた。
日本の怪談話の中で、最も恐ろしい姿で現われる最強の怨霊であり、最も広く知られている怪異は、「東海道四谷怪談」の『お岩様』ではないだろうか。
私がお岩様に遭ったのは、まだ幼い頃だった。
母は、泣いてぐずる私を背負いあやしながら、深夜でも明かりが灯っている駅前通りを歩いていた。
駅前には映画館が2軒並んでいる。
当時の映画館は、上映の内容を絵看板で表わしていた。
上映に備えて、職人さん達が巨大な絵看板を掛け替えていた。
見てしまった。
工事用の裸電球に浮かび上がったのは、顔が半面崩れ、髪を振り乱す、泥絵具を塗り固めた『お岩様』だった。
私は母の背に顔を擦り付け、身を硬くしてしがみついた。
若い母は、夢中で走ってその場を離れた。
それからしばらく、駅前に近づくことさえ嫌だった。
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