伊豆の踊子の「霊岸島」に惹かれて...
- 2023/9/25
- 街の人のブログ
「霊岸島」が、伊豆の踊子に書かれているなんて。と、ワクワクしながら早速、丸善で文庫本の「伊豆の踊子」を買いました。40ページ足らずの作品です。文中の霊岸島を追っかけていた私は、急いで読み終えました。でも、巻末の三島由紀夫の『伊豆の踊子』について(昭和25年8月)と、重松 清の「解説」(令和4年4月)を読んだことで、川端康成の生涯と心の底に触れた思いがして、作品を何度も読み返してしまいました。
文中の霊岸島のくだり (抜粋)
下田から東京に行く船のはしけのあたり。私(主人公の学生)は踊子にいろいろ話しかけて見たが、踊り子は何度となくこくりこくりうなずいて見せるだけだった。そこへ、土方風の男が私に近づいて来た。「学生さん、東京に行きなさるだね。あんたを見込んで頼むだがね。この婆さんを東京へ連れてってくんねえか。可哀そうな婆さんだ。今度の流行性感冒て奴で倅も嫁も死んじまったんだ。こんな孫が三人も残っちまったんだ。国へ返してやるところなんだ。婆さん何も分からねえんだから、霊岸島へ着いたら、上野の駅へ行く電車に乗せてやってくんな。わしらが手を合わして頼みてえ。」と。 私は婆さんの世話を快く引き受けた。明日の朝早く婆さんを上野駅へ連れて行って水戸まで切符を買ってやるのも、至極あたりまえのことだと思っていた。

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